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専業トレーダー DaTsU

桐野夏生


OUT

主婦4人が連帯した殺人。
ごく普通の主婦であった彼女たちがなぜ仲間の夫の死体をバラバラにしたのか!? 深夜の弁当工場で働く主婦たちは。それぞれの胸の内に得体の知れない不安と失望を抱えていた。 「こんな暮らしから抜け出したい」そう心中で叫ぶ彼女たちの生活を外へ導いたのは、思いもよらぬ事件だった。なぜ彼女たちは、パート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか?犯罪小説の到達点! おどろおどろしい。

グロテスク
『OUT』 『柔らかな頬』など、単なるミステリーにとどまらない作品を生み出してきた桐野夏生が、現実に起きた事件をモチーフに新たな犯罪小説を書き上げた。自身をして「その2作を超えて、別のステージに行ったかな」と言わしめた作品だ。 主人公の「わたし」には、自分と似ても似つかない絶世の美女の妹ユリコがいた。「わたし」は幼いころからそんな妹を激しく憎み、彼女から離れるために名門校のQ女子高に入学する。そこは一部のエリートが支配する階級社会だった。ふとしたことで、「わたし」は佐藤和恵と知り合う。彼女はエリートたちに認められようと滑稽なまでに孤軍奮闘していた。やがて、同じ学校にユリコが転校してくる。 エリート社会に何とか食い込もうとする和恵、その美貌とエロスゆえに男性遍歴を重ねるユリコ、そしてだれからも距離を置き自分だけの世界に引きこもる主人公。彼らが卒業して20年後、ユリコと和恵は渋谷で、娼婦として殺されるのだった。 いったいなぜ、ふたりは娼婦となり、最後は見るも無残な姿で殺されたのか。そこに至るまでの彼女たちの人生について、「わたし」は訳知り顔で批判を込めて語っていく。しかし、ユリコと和恵の日記や、ふたりを殺害した犯人とされる中国人チャンの手記が発見されるに従い、主人公が本当に真実を語っているのか怪しくなってくる。つまり「わたし」は「信用できない語り手」だということが明らかになってくるのだ。その主人公に比べ、日記であらわになるユリコと和恵の生き様は、徹底的に激しくそして自堕落である。グロテスクを通り越して、一種の聖性さえ帯びている。 読み手は何が真実か分からなくなるかもしれない。しかし読み終わったとき、この物語に不思議な重層性を感じるだろう おどろおどろしい。
すっげー作品、こんなことは夢にでてきそうだ。

○メタボラ 桐野 夏生
破壊されつくした僕たちは、〈自分殺し〉の旅に出る。
なぜ〈僕〉の記憶は失われたのか? 世界から搾取され、漂流するしかない若者は、日々の記憶を塗りかえる。 孤独な魂の冒険を描く、まったく新しいロードフィクション!
日本の社会に未来はあるのか? ニート、請負労働者、ホスト、バックパッカー……。〈自分探し〉の果て、下流社会を漂流し続ける若者たち。記憶を失くした青年は、ゼロからの〈自分探し〉=新しい〈自己創造〉の旅に出る。桐野夏生が新境地に挑んだ最新長編小説。
メタボラ……「メタボリズム(METABOLISM)」からの造語。そもそもは生物学用語で「新陳代謝」の意味だが、都市を生物体としてとらえようとする建築家たちの運動でもある。
他人の夢の中で、ニート、下流社会、ピサラ、ホスト、記憶喪失、ドメスティック・バイオレンス、剥がれ落ちる僕の細胞、請負労働、やんばる元年、安楽ハウス、集団自殺、ワーキング・プア、見届け屋、ヨルサクハナ、行徳、バックパッカー、沖縄知事選挙、ガーブ川、パラダイス・マニア、安里、ばびろん、スイートホームミヤコ、独立塾、イズム、宮古島、デストロイ、ボラバイト、柏崎、ヤンキー、イエローランプ、フリーター、慈叡句、オトーリ、ズミズミ、上等
あいかわらず、うまい。 大判で600pの小説だが、一気に読むことが出来るのは感動もの。 なかなかこの手の作品も少ない。 桐野氏は、いつも主人公をめちゃくちゃにする。 これでもか、というくらいめちゃくちゃにする。
沖縄のこと。 そして派遣、請負の実態。よく取材していると感ずる。



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